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いつも何かに心惹かれて語りだす、起伏の激しい無節操ライフ。
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〔夢は巡る物語〕



「某れは、さうほどたいした問題ではないのだよ」誰もいないカフェテリアで、眼鏡の下でウェイターは笑う。
 夢を払う待ち人を今日も待ち続ける昼下がり。


「誰も真似なんてさせねぇ。ただ追いかけたいだけなんだ」近未来的移動手段を手に入れた少年は帽子を押さえ飛び乗る。
 幼き日の無力を悔やむがために幼き日のあの背中を追い掛けるという矛盾に火を焼べた。


「あまーいあまーい、某れが食べたいだけなんだよね」並べられる真紅の言の葉を茶請けに差し出せば、蜜は男の喉をとるりと流れて熱く潤し焼け付いて、
「単なるぼったくりじゃあないですか」財布の寒さと引き換えに、少年は満たされることのない頭の中の水盆を溢れさせる。


「平和じゃないから神様を裏切ろうとして、幸せだから平和をうたうんだ」力なき少年の手に力が与えられても変えられない現実。
 はじめから正しくなんてないこの世界を、彼はそれでも愛した。


「大きなことなんて分からないし、考えたいとも思ったことはない。私は、生きていたいそれだけの理由で生きてるんだから」普通と隔絶されたために、重すぎる愛に甘えを嫌った。
 必要あれば楽に切り捨てる、けれどまだ手に張り付いているものを、彼女は捨てられなくなっていた。


「自分を滅ぼせるのは、結局自分でしかないのよ」会ったこともない復讐に駆られた人々は彼らの家族であった遠い人間の虐殺をはかった。
 彼女たちもまた、自らの作り出した恐怖に余韻もなく喰らわれる。


「語ることが俺の仕事なんで、諦めてもらえますか」表には決して顔を見せず、陰より物語を導くことを生業とする者が居る。
 此処に彼が居るならばきっと派手な桃色の兎の頭をしていることだろう、貴方の不満を心行くまで受け入れてくれるのだろう。


「夢喫茶」にはじまり夢は「摩天楼」を巡って「夢中毒」患者に出会いと別れを繰り返す。
「救助隊」が望む平和の支えとなりまたは少女の「澪標」となるはかない罪深さを孕み、
「運命」は抗うものと兵器を手にする人々の傍で「語り部」は何をするでもなく歴史を綴るように彼らを静かに視守っている。

全てがひとつに繋がったとき、「夜」へと続く階段が君を迎えにいくだろう。
さぁ、君はどの物語から足を踏み入れる?




<一度やってみたかったんです、こういうの。
 今まで書いてきた、またはこれから形にしていく私の中の主な物語たちです。だからちょっと予告的な。
 やはり幾年過ぎようとも一次創作からは抜け出せないようです。

 数カ月後これらを形にするためにしばらく潜ります。クラゲは寂しくなったら浮上します。
 それでは皆さまこの年もありがとうございましたー。
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プロフィール
HN:
三条 静流
HP:
性別:
女性
職業:
学生
自己紹介:
三条の生態日記。
時々気まぐれにイラストとかSS小説とか出ます。
現在主に書いてるオリジナル小説は『かたり部語り』シリーズです。


三条静流の代名詞:
骸狂。カフェイン中毒。絵描きで物書き。むくろふぃりあ。半腐り。骸狂。
モットーは気ままに気まぐれにマイペースに。
曖昧なものと強烈なものに伴う感動をこよなく愛する。
受験終了しました。新生活もなんとかやっていきたい。
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